カテゴリー:ブログ 更新日時:2019年3月13日
交通事故や不動産など、何らかの紛争に関して訴訟になる前の段階でご依頼をいただいた場合、まずは示談交渉で合意することを目指しますが、どうしても示談交渉では折り合いがつかない場合には、訴訟をすることになります。
訴訟になるかもしれない、というお話を依頼者の方にすると、よく「どれくらいの時間がかかるのか」というご質問をいただきます。
結論から申しますと、訴訟も相手がある手続なので、一概に期間の見通しをつけることは難しいのですが、依頼者の方には、少なくとも1年程度はかかるものとお考え下さい、とお答えしております。
訴訟は、おおよそ以下のような流れで進んでいくことが一般的です。
原告が裁判所に訴状を提出(例えば交通事故であれば被害者が原告になります)
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裁判所が被告に訴状を郵送(例えば交通事故であれば加害者が被告になります)
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第1回口頭弁論期日
被告が答弁書を提出
答弁書に被告の反論が記載されていれば(記載されていないこともあります)原告が答弁書に対する反論を準備
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弁論準備手続期日
原告が答弁書に対する反論の書面(準備書面といいます)を提出
被告が原告の準備書面に対する反論を準備
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弁論準備手続期日
被告が原告の準備書面に対する反論の準備書面を提出
原告が被告の準備書面に対する反論を準備
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証人・本人尋問期日
双方の主張が概ね出揃った段階で、必要があれば事件の当事者などを裁判所で尋問する
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判決
以上のように、訴訟は、原告と被告とがそれぞれの主張を記載した書面を交互に裁判所に提出し、最終的には当事者などの関係者の話を聞いて、裁判所が判決をする、という流れで進んでいきます。そして、準備書面の作成には、通常1ヶ月程度はかかりますので、裁判の期日は短くとも1ヶ月から1ヵ月半おきに設定されます。
そうすると、訴状を提出してから、訴訟の期日を4回、5回と繰り返していくうちに、あっという間に1年程が経過してしまうことになります。
ただ、訴訟の期日には、基本的には弁護士が出頭しますので、1ヶ月から1ヵ月半おきに裁判所にお越しいただくという必要はございません。
交渉を打ち切って訴訟にする、という場合には、紛争が長期化する可能性が高くなりますので、裁判をするかどうかは、このような見通しを前提に判断する必要があります。
弁護士にご相談いただいた場合には、ご希望をうかがった上で、交渉によって解決するべきか、訴訟をするべきかについてアドバイスを差し上げています。