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賠償金の増額  約450万円

 

Aさん(女性・70歳)は、交通事故により第1腰椎圧迫骨折等の傷害を負った結果、後遺障害(11級7号「脊柱に変形を残すもの」)が残ってしまいました。Aさんは、事故前、友人たちと旅行をしたり、ボランティア活動を行うなど活発に活動していたにもかかわらず、事故後は後遺障害により1人での買い物もままならず、大変辛い思いをされていました。
ところが、加害者側の保険会社から提示された賠償額は、余りにも低額であったため、Aさんはショックを受け、川﨑法律事務所に相談に来られました。
依頼を受けた担当弁護士は、速やかに損害賠償請求訴訟を提起しましたが、加害者側は、Aさんには糖尿病の治療歴があり、糖尿病によって骨が脆くなっていたとして、損賠賠償額について素因減額を主張しました。
担当弁護士は、Aさんは高齢ながら事故前には活発に活動していた事実に加え、糖尿病については適切な治療を受け、症状は安定していたこと、主治医から骨疾患を過去に指摘されたことはなく、骨疾患の治療も受けていなかったこと、ALP値・骨密度・骨代謝マーカーといった骨疾患の判定に関わる数値のいずれにも異常はなく、むしろ同年代の平均値よりも良好な数値が示されていることなど、医療記録に基づいた丁寧かつ緻密な主張・立証活動を行いました。
その結果、判決では、加害者側が主張する素因減額は一切認められず、担当弁護士の主張する損害賠償額がほぼ全額認められ(保険会社の当初提示額から約450万円の増額)、Aさんも納得のできる解決に至りました。

コメント

本事案において加害者側が主張した素因減額とは、被害者側にも損害を拡大させるような要因があった場合に、これを考慮して損害賠償額を減額することです。
本事案では、Aさんに糖尿病の治療歴があったことから、加害者側は、糖尿病によってAさんの骨が脆くなっていたことが、第1腰椎圧迫骨折や後遺障害が残存した要因のひとつであるとして、素因減額を主張したのです。
加害者側は、様々な医学的文献を根拠として素因減額を主張しましたが、担当弁護士は、Aさんの過去の診療録を可能な限り取寄せて丁寧に検討し、これを踏まえた主張・立証を行ったほか、骨疾患の有無にかかる新たな検査結果なども証拠として追加して、妥協することなく徹底的に素因減額を争いました。
このような担当弁護士による徹底した主張・立証が功を奏し、判決では素因減額は一切認められませんでした。
本事案のように、診療記録や医学文献の検討が必要なケースにおいては、これら資料を読み込み、内容を理解する能力が弁護士に要求されます。川﨑法律事務所では医療事件も多く取り扱っており、所属弁護士は診療記録や医学文献の検討に慣れていますので、本事案のようなケースでも安心してご相談下さい。

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