死亡や後遺症による逸失利益を請求する場合、被害者が得るはずであった給料や年金等に相当する額の金銭の支払を請求することができます。この請求が認められれば、本来であれば今後月々給料や年金等を受け取るという形だったはずのところを、一括で受け取ることができます。
ただ、同じ金額でも、今受け取るのと、1年後に受け取るのと、10年後に受け取るのとでは価値が違いますので、例えば1年後に100万円受け取る権利を現在の価値に直すといくらになるかということを考えなければなりません。
民法上の利率である3%(2020年4月の民法改正時点での利率であり、今後変動する可能性があります)を基準にして、1年後に100万円を受け取る権利を現在の価値に直すと、
100万円÷1.03≒97万0837円
となります。つまり、97万0837円を今受け取っていれば、1年後には3%の利息がついて100万円になるという考え方です。
2年目以降は複利で計算され、2年後に100万円を受け取る権利の価値は
100万円÷(1.03×1.03)≒94万2595円
となり、3年後に100万円を受け取る権利の価値は
100万円÷(1.03×1.03×1.03)≒91万5141円
ということになります。
ちなみに、このような計算を簡易にするため、実務ではライプニッツ係数という数字が用いられています。
実務上はこのように年利3%を基準にして計算しているため、受け取れる金銭がかなり目減りしてしまうというのが現状です。
このように、将来の金銭支払請求権について、現在一括で支払われた場合の額を計算する場合に控除される中間の利益のことを中間利息といいます。
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